48回 命令形について(2

 

 

 命令形(1)をご覧になった方はかなり難しいと感じた方も多いと思います。

しかし、命令表現には文の作り方としてより簡単な方法がいくつかあります。ただ、使い方に注意が必要です。

 

@ ひとつはTessékと動詞の不定形を使う方法です。

Tessék idejönni!                   「どうぞこちらへおいでください。」

Ne tessék dohányozni!       「タバコは御遠慮ください。」

動詞の不定形を知っていれば作ることができますね。

ただし、これは「命令」というより「丁寧なお願い」の表現です。

目上の人やお年寄り、お客さんなどに対して使う言葉でしょう。親しい間柄であれば普通使いませんし、

相手も使ってくれません。

 

A それから二人称をそのまま使うこともできますが、これは逆にかなり強い命令です。

        Odamész az iskolába!    「学校へ行け」

        Nem hallgatsz!          「聞くな」

これも日本語に置き換えてみると「あなたはここに座る。」「あなたは私と映画を見る。」と言ったところでしょうか。

日本語では何か予言まがいなものを押し付けられている感じがしますね。

ハンガリー語でも同じ感じがあるのかどうかはまだ確かめていませんが、強い命令であることは事実です。

 

以上の表現には感嘆符(exclamation mark, ハンガリー語でfelkiáltójel)がついています。

特にAの表現はそれによって命令形であることをあらわすのです。

このあたり詳しくお知りになりたい方は岩崎・浅津両先生の「ハンガリー語U」(大学書林)の第4課に詳しく出ていますので御参照ください。

 

さて、命令形の2回目の解説に入りましょう。前回ご紹介した命令形の例には最も標準的な変化をする動詞(beszél, tanul, ül)を使いましたが、

今回はただでさえ不規則なvan(ある・いる), megy(行く), jön(来る)を例に使います。

 

 

命令形(不定活用)

 

 

van

megy

jön

語尾

Én

legyek

menjek

jöjjek

-ak

-ek

Te

légy (legyél)

menj

jöjj(gyere)

(-ál)

(-él)

Ő

legyen

menjen

jöjjön

-on

-en-ön

Mi

legyünk

menjünk

jöjjünk

-unk

-ünk

Ti

legyetek

menjetek

jöjjetek

(gyertek)

-atok

-etek

Ők

legyenek

menjenek

jöjjenek

-anak

-enek

 

 

「こっちにおいで」               Gyere ide! (ジェレ・イデ)

 

「出発しよう」                      Menjünk el!(メニュンク・エル)

 

 

Vanの命令形というとちょっとピンとこないかもしれませんが、実は日常生活でよく使う表現があります。

 

「すみませんが」                         Legyen szíves! (Légy szíves!)

(レジェン・スィーヴェシ/レージ・スィーヴェシ)

これは誰かに話しかけて話し手に注意を引くときに使う表現です。

たとえばレストランでおしゃべりをしているウェイターに注文や勘定を頼むときに使います。

それから、

 

「静かにしてください」             Csend legyen!(チェンド・レジェン)

 

というのもよく耳にします。学校で子供たちがうるさいときに先生はよく使います。

もっともパーティーのときに誰かが話をするので聴いてほしいというときにはこの表現を使うことはあまりなく、

グラスやコーヒーカップをスプーンで叩いて音を出して注意を引くというのが一般的のような気がします。

 

それでは今回はここまでということで。

 

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