第38回 vala-, se-等の接頭辞
さて今回は「だれか」、「いつか」、「だれも〜ない」、「なにも〜ない」に相当する表現をご紹介します。
1)接頭辞vala- について
vala- は日本語の「だれか」、「いつか」の「か」の部分に相当する接頭辞です。この接頭辞は疑問詞の前につきます。
ですから、次のようにたくさん作ることができます。
valaki |
だれか(が) |
valami |
なにか(が) |
valahol |
どこか(で/に) |
valamilyen |
なんらかの |
valahova |
どこかへ |
valahonnan |
どこかから |
valamikor |
いつか |
valamelyik |
どれか |
更に発展させると「何かを」と言いたいときには、valamiに、「を」に相当する接尾辞 –t をつけて
valamitとしますし、「誰かと一緒に」と言う場合はvalakiに、前回勉強した-val/vel
をつけて、valakivelとすれば
いいのです。
Szeretnék
vacsorázni valahol. どこかで夕食が食べたいです。
Valaki
keresett téged. 誰かがあなたを探していましたよ。
2)接頭辞se-について
se-は否定表現です。 「だれも」、「なにも」の「も」に相当します。英語の”no-„は、”nobody”、”nowhere”のように
それだけで否定の意味を持ちますが、ハンガリー語の”se-„ は”sem” という否定表現を常に伴います。
senki sem |
だれも〜ない |
semmi sem |
なにも〜ない |
sehol sem |
どこにも〜ない |
semmilyen sem |
どのようにしても〜ない |
sehova sem |
どこへも〜ない |
sehonnan sem |
どこからも〜ない |
soha sem |
けっして(どのようなときにも)〜ない |
semelyik sem |
どれでも(どちらでも)〜ない |
Senkivel
sem akarok találkozni. だれとも会いたくありません
Soha
sem dohányzom. 私は決してタバコはすいません。
ハンガリー語を習い始めのとき、友人と二人でハンガリーの売店に買い物に行きました。
教室では「〜を(数量)ください。」とか、「全部で(金額)です。」のような表現を習ったので、
それを実践するためでした。
途中まではよかったのですが、売り子がお金の金額を言う前に何かを言ったのです。
私も友人も理解できず、顔を見合わせました。今思えば「ほかに何かご注文は?”Más valamit?”」
といっていたのです。売り子の女の子は自分が何気なく言った言葉で、大の男がふたり真剣な顔で
悩んでいるのを見て、さぞ困ったことでしょう。
こんなことが言語の勉強の中では次々起こります。それが楽しくもあり、悩ましくもあります。
それでは。今回はこの辺で。