第36回 ハンガリー語の時刻の表現(2)
前回ハンガリー語の時刻の表現をご紹介しました。(復習でしたら第35回 ハンガリー語の時刻の表現(1)をご参照ください。)
前回の表現の仕方で基本的な時刻は表現することができます。前回ご紹介した方法はデジタル方式です。つまり電子レンジについている
デジタル表示の時計のように、10時半を「10時30分」として表現する方法でした。ですから60までの数さえ分かれば全部表現できます。
しかし、日本人でも「10時30分」は「10時半」というのが普通ですよね。
つまりアナログ方式(文字盤を見て話すタイプ)の表現方法が一方で存在しているのです。
もちろんハンガリー語でも一般的に使われています。
今回はアナログ方式の時刻の表現方法と、「〜時に」という表現をご紹介します。
このアナログ方式の時刻の表現方法は、気をつけなければいけない点があります。
1)アナログ方式の時刻表現法
ハンガリー語で「〜時」、または「〜時間」のことを óra(オーラ)といいます。ですから1時はegy óra、2時はkét óraとなります。
と以前ご紹介しましたが、「〜時半」を表す表現はfélです。félはそもそも半分という意味です。ちょっと話がそれますが、妻を表すハンガリー語はfeleségです。
自分の半分という意味なのでしょうか。(英語でもbetter halfなんて表現がありますね。)
ハンガリー語の「〜時半」はfélの後に数字を入れます。そうすることで「〜時半」の表現を作ることができます。
ただし、日本で言うところの1時半はハンガリー語ではfél kettő 、2時半はfél háromになります。
つまり、「1時半」が「半 2」という形になるのです。
1番目の時間
なぜこうなるのでしょうか。この原理は次の説明をご参照ください。
12
時計の文字盤を見ると真上の「12」から「1」までの間は「一番目の時間」ですよね。
1この「一番目の時間の中にある30分」と考えると「12時30分」はfél
egyとなります。
したがって、同じような考え方で1時半はfél kettő、2時半はfél háromになるのです。
この考え方は実はロシア語やチェコ語など、周辺のスラヴ系の言語にもあります。
また日本語にはないのですが、15分が一つの単位として存在します。
これはハンガリー語でnegyedといいます。この言葉が「4」すなわちnégyから
できているといえば「四分の一」のことかと察しのつく方も多いでしょう。
ですから45分はháromnegyed となります。(これは一語です)
3時45分は háromnegyed négy 4時45分は háromnegyed öt となります。
このアナログ方式の表現は現在でも非常に良く使われます。
この表現になれたらハンガリーの生活にも慣れてきたと考えていいでしょう。
2)「〜時に」の表現
さて、時刻の表現を使うのは主として誰かとの約束や、予定を言うときに「〜時に…をする。」という形で使いますね。
ハンガリー語では「〜時に」という表現は接尾辞 –korを付けて作ります。
下記をご参照ください。
「朝7時に朝食をとります。」 Reggel hét órakor
reggelizem.
「朝7時半に出発します。」 Reggel fél nyolckor
indulok.
「午前10時20分に授業が始まります。」 Délelőtt tíz óra húsz
perckor kezdődik az óra.
それでは今回はこの辺で。