第26回 ハンガリー語の接尾辞(4) 場所の接尾辞3
前回ハンガリー語の場所接尾辞についてご紹介しました。今回は場所接尾辞の使い方についてご紹介します。
主として-ba/-beと-ra/-reの使い分けです。
前回までにご紹介した場所接尾辞をどう使うかについては、もちろん「〜の上」、「〜の中」という使い方もありますが、
「公園」、「駅」といった普通名詞を場所として使う場合には、接尾辞は位置関係ではなく、
むしろ名詞によって決まっていると考えていいと思います。
たとえば、次の例を見てください。
Péter az egyetemre megy. ペーテルは大学へ行く。
Péter
az iskolába megy. ペーテルは学校へ行く。
この例で違っているのは「学校」と「大学」という単語だけです。通常われわれにとっては学校と大学は大きな違いはありませんが、
ハンガリー語では接尾辞を違えて使わなくてはいけません。
それから、「銀行へ」はbankba 「事務所へ」はirodába ですが、「郵便局へ」はpostára 「駅へ」はpályaudvarraです。
そして、方向に-ba/-beを使うものは場所を表す場合-ban/-benを使い、動作の起点を表す場合は-ból/-bőlを使います。
少々まとめてみましょう。
場所 |
〜から |
〜で/に |
〜へ |
大学 |
egyetemről |
egyetemen |
egyetemre |
学校 |
iskolából |
iskolában |
iskolába |
公園 |
parkból |
parkban |
parkba |
郵便局 |
postáról |
postán |
postára |
銀行 |
bankból |
bankban |
bankba |
駅 |
pályaudvarról |
pályaudvaron |
pályaudvarra |
店 |
boltból |
boltban |
boltba |
図書館 |
könyvtárból |
könyvtárban |
könyvtárba |
広場 |
térről |
téren |
térre |
地名について
地名の場合も同様です。ある地名では-ra/-reを使い、別の地名では-ba/-beを使うのです。
この法則はある程度わかっています。
1)「ハンガリー」およびハンガリー国内の都市は-ra/-reを使い、外国および外国の都市については-ba/-beを使う。
ハンガリーへ Magyarországra
ブダペストへ Budapestre
日本へ Japánba
ドイツへ Németországba
パリへ Párizsba
ただし、-m、-n、-rで終わるような都市名はハンガリー領内であっても-ba/-beを使います。
ショプロンへ Sopronba
エステルゴムへ Esztergomba
デブレツェンへ Debrecenbe
2) 大陸、アジアやアメリカといった大きい意味での地方の場合は-ba/-beを使う。
ヨーロッパへ Europába
アジアへ Ázsiába
3)島の場合は-ra/-reを使う。
北海道へ Hokkaidóra
マルギット島へ Margit szigetre
それでは。