第23回 ハンガリー語の動詞(7)動詞の不定形について
さて、今回はハンガリー語の不定形について、ご紹介します。ハンガリー語には主語、時制、そして目的語に関係のない不定形が存在します。ハンガリー語の不定形は動詞の後ろにniを入れて作ります。そして文法的にはちょうど英語のTo不定詞に似た働きをします。
不定形の作り方
1)
通常の動詞の不定形の作り方
動詞の不定活用3人称単数形のすぐ後ろに-niを入れる。
tanul |
(勉強する) |
→ |
tanulni |
olvas |
(読む) |
→ |
olvasni |
sétál |
(散歩する) |
→ |
sétálni |
beszél |
(話す) |
→ |
beszélni |
főz |
(料理する) |
→ |
főzni |
2)
-ik動詞の場合。
動詞の不定活用3人称単数の-ikをとって、-niを入れる。
dolgozik |
(働く) |
→ |
dolgoz |
→ |
dolgozni |
reggelizik |
(朝食を食べる) |
→ |
reggeliz |
→ |
reggelizni |
lakik |
(住む) |
→ |
lak |
→ |
lakni |
3)
-niの前につなぎの母音が入る場合。
語幹の末が二重子音(-nd、-rt、-tsz等)の動詞、-ítで終わる動詞
-ani |
mond |
(言う) |
→ |
mondani |
tanít |
(教える) |
→ |
tanítani |
|
játszik |
(遊ぶ・演奏する) |
→ |
játszani |
|
-eni |
ért |
(理解する) |
→ |
érteni |
készít |
(準備する) |
→ |
készíteni |
4)
不規則なもの
下記の動詞は不規則なものです。
megy |
(行く) |
→ |
menni |
jön |
(来る) |
→ |
jönni |
van |
(ある・いる) |
→ |
lenni |
eszik |
(食べる) |
→ |
enni |
iszik |
(飲む) |
→ |
inni |
tesz |
(置く) |
→ |
tenni |
visz |
(持っていく) |
→ |
vinni |
vesz |
(買う) |
→ |
venni |
hisz |
(信じる) |
→ |
hinni |
5) alszik, fekszikの不定形も不規則です。
alszik → aludni
fekszik → feküdni
さて、不定形は多くの場合、他の動詞や形容詞とともに使います。
たとえば、tud(できる)、akar(ほしい)、szeret(すきだ)などの動詞の目的語や、
nehéz(難しい)などの形容詞文の主語になることにより、「〜すること」と言う意味になります。
Tudok
futballozni. 「サッカーをすることができる。」
Szeretek
táncolni 「ダンスをすることが好きだ」
Írni
nehéz. 「書くのは難しい。」
また、megyやjönなど、移動の動詞とともに用いると、「〜するために」という意味を持ちます。
Bécsbe
megyek vásárolni. 「ウィーンへ買い物に行きます。」
Hazamegyek
pihenni. 「休むために家に帰ります。」
※ただし、移動以外の動詞の文では、不定形を本動詞の目的の意味で使うことはできません。
つまり、「勉強するためにアメリカへ行く。」は ”Amerikába megyek
tanulni.” ですが
「アメリカに行くために勉強する。」は”Tanulok Amerikába menni.”にはなりません。
それでは今回はこの辺で。