第16回 ハンガリー語の接尾辞(2) 対格接尾辞 ”-t”
ハンガリー語では文中の単語と単語の関係を接尾辞で表現するということは以前ご紹介しました。
今回は接尾辞の中でも「〜を」という意味を表す「-t」をご紹介します。
それでは作り方を見てみましょう。
1)
末尾が母音で終わる場合はその後にそのまま-tをつけます。
(ただし、末尾が-aまたは-eで終わる単語の場合は長母音にして-tをつけます。)
autó(自動車) → |
autót |
tábla(黒板) → |
táblát |
2) 末尾が-j, -l, -ly, -n, ny, -r, -s, -sz, -z, -zsで終わる名詞はそのまま-tをつけます。
tanár(教師) → |
tanárt (教師を) |
étel (食べ物) → |
ételt (食べ物を) |
3)2)を除く、末尾が子音で終わる単語は-tの前につなぎの母音をとります。
どのような母音が入るかはもちろん母音調和によります。
後母音の名詞の場合は-ot、形容詞の場合は-atをとります。
ablak (窓)→ |
ablakot(窓を) |
magas (背が高い)→ |
magasat(背の高いのを) |
前母音の単語の場合は-etをとります。
szék (椅子) széket(椅子を)
4)
複数形を作るときに母音が脱落したり、短母音化する単語は対格形を作る場合もこれに準じます。
tanterem (教室) → |
tantermet(教室を) |
híd(橋) → |
hidat(橋を) |
なお、以上はあくまでも大まかなルールです。これらに適合しない単語はいくつもあります。
最初のうちは末尾の-tをしっかり注目し、単語ごとに対格形を身につけるようにしましょう。
最後に疑問詞、指示代名詞の対格形をご紹介します。
mi(何) |
mit(何を) |
ki(誰) |
kit(誰を) |
melyik(どれ) |
melyiket(どれを) |
milyen(どんな) |
milyet(どんなのを) |
ez(これ) |
ezt(これを) |
az(あれ) |
azt(あれを) |
それでは又。